株式会社マツリカに転職して1ヶ月経ちました
はじめに
この記事は転職エントリです。
2019年8月から株式会社マツリカでサーバーサイドエンジニアとして働いています。
ブログ書いたことなかったんですが、9月入社のエンジニアの方がエントリ書かれているのに触発されて書くことにしました。
転職して実際どうよ?よりもなんで入ろうと思ったか、何をしたいのかを中心に書いたものです。エモさ100%のポエム。
マツリカでエンジニアとして働くのってどんな感じ?っていうのはこの記事の方にまとめてもらってます。
なお、この記事に書く内容はあくまでも個人の私見であり、僕が属する一切の組織・団体の意見を代表するものではありません。あしからず。
マツリカって何してる会社?
株式会社マツリカは「世界を祭り化する」をミッションとし、「人とテクノロジーの力を掛け合わせ、もっと自由で、もっと創造的で、充実したワークライフを」目指す企業です。
具体的なサービスとしては顧客管理ツール(CRM)/営業支援ツール(SFA)であるSenses(センシーズ)を主に展開しています。
「祭り化」について、詳しい説明は下記の記事に譲りますが、抜粋すると「『人々が没頭して夢中になり、充実感や達成感に満ちた状態』のこと」です。
どんちゃん騒ぎしているみたいな状態のことではありません。
伝えたいこと
なんでマツリカに?
結論から言えば、僕の仕事における目的を追求するためにこれ以上の環境はないと思ったからです。
仕事における目的
「人の生産性を高め、金銭的・時間的な余裕と充実感を増やす」ことが目的であり、そのために「強いチームを作るための仕組みを作る」というのが、僕が仕事において追求したいと考えている手段です。
そこからなぜCRMを提供している企業を選んだのか?について、これまで自分がやってきたこと、考えてきたことと合わせて書いていきます。
これまでの経歴と思考
大学卒業後、業務系コンサル、ヘッドハンティングの営業、受託開発会社でのエンジニアを経てマツリカに入社しました。
大学時代の研究
統計政治学という分野を専攻していました。
大まかに言えば「データ」(事実・定量)を統計によって解析し、解析結果に対して「分析」(論理的解釈・定性)を行うことで政治に対して新たな「洞察」(情報)を生み出そうとする分野です。
学んだこと
ゼミの研究を通じて仕事の基礎になる考え方を学びました。社畜養成機関。
- データと分析が揃って初めて情報になる
- 仮説は修正されるもの
- 仮説の修正と統計解析、結果の分析の繰り返しが大切、そしてさっさと失敗しろ(PDCA回せ)
- 見えないものは改善できない
学生のうちにこうした考え方に触れることができたのは今振り返ると大きな財産だなと思います。
これらの経験を活かしたいと考えたことと人の生産性を高めたいという思いがあったことから、コンサルタントになることを選びました。
コンサル時代
順風満帆な滑り出し。
だったんですが、半年で心身ともに疲れ切ってしまい、退職してしまいました。
正直その状態からコンサル続ける気持ちも出てきませんでしたし、いくつかの問題意識もあったため、違う道を選ぶことにしました。
コンサル経験からの問題意識
- クライアントからは「他社はどうしてる?」ばかり聞かれる
- プロパーが多いゆえに知識が偏っているという危機感を持っていた
- (当たり前だけど)契約が切れたら終わりなので継続的な改善は必ずしもできない
- コンサルティングファーム内にノウハウはあるが、都度カスタマイズが必要なので影響範囲が限られる
- 仕組みにはできない
- 組織構造によって業務プロセスが決まり、プロセスの設計から歪みが生じる
- コンウェイの法則
転職理由
これらの理由から
- コンサルではスケールさせにくい?
- 継続的に改善に取り組めて、知識や洞察をもたらせる人材が社内にいればいい?
- ノウハウを持っており、意思決定に関わることができる層の転職を支援すれば、多くの組織の課題解決に貢献できるのではないか?
と考え、ヘッドハンティングの営業へと転職しました。
ちなみに、コンサルティングが不要というつもりは全くありません。
ノウハウをいかに適用していくのかという領域を完全に仕組みにできるとは思いませんし、価値の高い仕事です。
より多くの人に届いてほしいという自分の願いとはスタンスが合わないなと感じただけのことです。
ヘッドハンティング営業時代
仮説を確かめるために入社した人材会社でしたが、完全にアナログな営業でなんとかしたいと思い社内改善にも取り組みました。
全社員が抱えてる顧客と候補者を共有サーバーに置いてあるExcelで管理してて、その台帳を管理するためのおじさんが一人いましたからね。
顧客情報更新するために帰社しておじさんにお伺い立てて顧客情報や候補者情報更新してもらわないといけませんでした。それ知った時は素で「正気かよ...」って声出ました。
担当業界がいわゆるWeb業界だったことや、改善に取り組む中でWebサービスについて調べることが多かったこともあり、この頃からSaaSに対して興味を持ち始めたように思います。
業務改善の障害
業務改善に取り組む中で以下のようなことに気づきました。
- 業務課題はツールで解決できる問題がほとんど
- 世の中のITリテラシーは想像以上に低い
- UI/UX、わかりやすさは重要
- 属人化は改善の障害
- 統一できなければ仕組み化できない
- 情報は散在すると使われない
マツリカとの出会い
ツールに合わせれば仕組み化がしやすくなること、顧客や候補者の管理に特に大きな工数を割いていたこと、社内のITリテラシーが低いことから、ユーザーフレンドリーかつ情報を一元管理できるツールはないか?ということでCRMの選定を行いました。
マツリカとSensesのことを知ったのはこのタイミングです。
Sensesを見たときに感じたこととしては
- 直感的に操作できるUIを備えている
- 顧客へのアプローチ状況を視覚化しやすい
- 他のツールとの連携によって情報が集約される
などで、入社した今となっては手前味噌ですが、当時Sensesを見たときは「これが欲しかったんだよ!」ってぐらいに情報の可視化、プロセスの統一、組織ノウハウの蓄積に貢献してくれるツールだと思いました。
ちなみに導入したいと思って社長にプレゼンしたら「システム使うと人間がダメになるよね」と退けられました。
手にスマホ持ちながら言われたんで高度なギャグなのかと思いましたが目がマジだったんで退職願をそっと差し出しました。
転職理由
Web業界やSaaSについて調べていき様々なツールに出会ったことにより
- Webはより多くの人に、より安く手軽に使ってもらえる拡散性の高い手段
- SaaSであれば継続的に改善していける仕組みを作ることができる
- データが取得しやすいため、改善がそもそもしやすい
と考えるようになりました。
仕組み作りによって人に貢献したいと考えたこと、自分の性格や得意なことを考えても営業よりはエンジニアの方が向いているという確信もあり、思い切ってエンジニアに転身することを決めました。
受託開発時代
3ヶ月ほどの独学の期間を経てRailsメインの受託開発会社にエンジニアとして転職しました。
ちなみにスクールも通いましたが5日目で金をドブに捨てているとしか思えなかったんで辞めました。
未経験から目指す方は、Twitterとかで情報集めて本を買うお金に回した方がスクール代よりはるかにコスパいいんじゃないでしょうか。
もしくは失業保険もらいつつ職業訓練校に通うか。
ここは居心地はすごくいい会社だったんですが、チームとして機能しているか?というと疑問に感じる瞬間が多かったです。
チームとしての生産性
というのも、各々が自分の担当案件にかかりっきりで個人事業主の集まりになっているという印象が強かったからです。チームというよりはグループという方が実態を表しているような働き方でした。
コミュニケーションコストはかかるものの、チーム全体の生産性としては個人の生産性の足し算や掛け算になるどころかただマイナスになっており、ノウハウの共有や蓄積も少ないため各人の成長の角度も上がらないという状態です。
過去の経験から、強いチームは個人の強みを活かしあうことで高い生産性、個人の成長の促進、なによりも達成感や充実感をもたらしてくれるものだという思いがありました。
生産性が高くて、貢献を感じることができ、お互いに認め合えるような人間関係のもと健康でいられれば概ね幸せな状態だと思いますし、強いチームを作るというのはそうした状態を目指していけるということだと考えています。
ここから、強いチームを作るための仕組みを提供することでより多くの人を支援できないか?と考え始めたこと、自分のエンジニアとしてのスキルを伸ばしていきたいと考えたことが転職のきっかけです。
生産性を高めるための仮説
強いチームとは
僕にとっての強いチームでの経験、つまり僕が「祭り化」していたと捉えている経験はこれまでに2度あったため、何らかの共通点があるのではないか?と考え、生産性の高いチームは以下のような共通点を持っているのではないかという仮説を持ちました。
- 目的を共有している
- 自分たちの組織やサービスに愛着を持っている
- チームとしての目的がメンバーの意思決定の基準にまで浸透している
- 手段の多様性と心理的安全性がある
- 個人の強みを活かすことができる
- チームへの貢献を感じられる
- 知識の共有やフィードバックが得られる
- 好奇心を持って日々改善に取り組む
そして、共通点があるのならば法則化できるのではないかと考えています。
なぜ強いチームができないのか
そうなると次に気になるのは「何がチーム作りを妨げるのか?」でした。
以下のような理由からチーム作りが妨げられるのではないかと考えています。
- チームワークがどうとか言ってられないぐらいタスクが溜まってる
- 改善が進まないため状況が見える化できない
- どこから手をつけるべきかもわからない
- 改善活動の費用対効果が予測・測定できず、決裁者から了承が得られない
- 改善できず悪循環
- 相手の状況もわからないため縦割りが進む
つまり、状況の可視化ができていないことがグループ化・縦割りを進めてしまうのではないか?ということです。
これまでの経験から、誰しも自分の状況を良くしたい、少しでも生産的に働きたいとは思っているんだと感じています。
ただそうは言ってもみんな目の前のタスクや明日の飯のことで精一杯なんじゃないかなと。
良いチームを作るべきだって考えて取り組んでる企業って本当に素晴らしいんですが、その優先度を高められる企業って経営者の問題意識が相当強いか既に十分に生産性が高いかなんじゃないでしょうか。
上でつらつらと強いチームの共通点とか書いておいてなんですが、そもそもそこを目指せる状態にいること自体が稀だと思います。
なぜ知識の共有ができないのか
もう一つ気になったのは、「なぜ知識の共有が進まないのか?」でした。
- プロセスの統一された基準がなく、成功と失敗の要因の分析がしづらい
- 比較ができなければ分析の精度が上がらない
- 分析ができず、再現性が低いため、そもそも言語化できない
- 言語化できず、伝達効率が低い
- プロセスが各々違うため、伝わったとしても知識の適用が難しい
- 体系的な知識の構築が難しく、できたとしてもメリットが薄い
- 知識とプロセスの属人化が進み、理想の状態を描くことも現状を知ることも難しくなる
つまり、プロセスの可視化を行わなければプロセスの基準づくりは難しく、基準がなければノウハウの共有も改善も難しいのではないか?ということです。
仮説のまとめ
- 生産性を高めるためにはチーム作りと知識の共有が重要
- 法則があるなら仕組み化できる
- チーム作りの障害になるのは状況の不透明性
- 知識の共有の障害になるのは基準のないプロセス
- チーム作りと知識の共有が進めば生産性が高く充実感のある状態にできる
- チームの状態もプロセスも、見えないものはやはり改善できない
仮説に仮説を重ねるなって批判もあるでしょうが、以上が現時点での僕の考えです。
チーム作りにしても知識の共有にしても、状況を顕在化させることが第一歩ではないかと思います。
転職の軸
これらを基に、転職したい企業の理想像を考え始めました。
正直言うと転職考え始めた時点ではマツリカのことほとんど忘れてましたが笑
プロダクトの理想像
これまでの内容を整理すると、サービスに備えていてほしい要件は以下のようなものでした
- アナログな業務のプロセスを可視化するものであること
- 感覚的に理解しやすいようUIにこだわっていること
- 情報の集約を促進する仕組みが備わっていること
- ツールを使う人の生産性向上に寄与できること
会社としての理想像
自分が「強いチーム」をテーマにしている以上、強いチームを一緒に目指していけるような企業に加わることが必須でした。
- 自分がサービスと組織に対して愛着を持てること
- 意思決定の基準としてミッションが引き合いに出される文化があること
- 自分の思う「強いチーム」について共感し合える企業であること
- エンジニアが技術や自社のプロダクトについて語ってくれること
- 社員の心身の健康を大切にしていること
拡大フェーズに入り始めたスタートアップかつビジョンに共感できる企業がこの条件に当てはまるかなと考えてました。
どんな人たちとどんなふうに働きたいのか?を重視してたかなと思います。
どれだけプロダクトがすごくてもビジョンに共感できない、尊敬できないのであれば目的には近づけないと思いましたし、仕事は好きですが身体を壊す勢いで働くというのはごめんでした。
再びマツリカと出会う
こうして軸を作り、やりたいことややってきたことをWantedlyに書いてたんですが、自分の経歴・能力を鑑みても正直この条件を満たすのは難しいだろうし、技術が伸ばせて健康的でいられる会社に行くのがいいかなぐらいに考えてました。
そんな折にマツリカのCo-CEOからスカウトをもらったのをきっかけに営業時代のことやSensesのことを思い出し、話を聞きに行ったのがマツリカとの再会です。
自分のチームに対する思いや複数の職種の経験を評価してスカウトを送ったと言ってもらったので、アウトプットしておくことって考えの整理だけでなく転職で役立つなぁと感じました。
ミッションとプロダクトへの共感
プロダクトへの共感は営業時代の話の中で書いた通りです。
日々の業務の中で使えて、生産性を高めることに貢献でき、情報の可視化と集約を助けてくれるツールだと感じています。
営業という広大なフィールドに挑めるサービスでもあるため、与えられるインパクトも大きいと信じています。
ミッションについても、「世界を祭り化する」というのは自分が目的としている「人の生産性を高め、金銭的・時間的な余裕と充実感を増やす」と近いものがあると思いました。
チーム作りに対する考え方の共感、自分たち自身が「祭り化」していることを目指しているということ、企業として成長期にいるということから、一緒にチーム作りを行っていける企業だとも考え、自分にとってこれ以上の環境はないと確信したため入社しました。
Sensesが持つ可能性
- 情報の可視化と集約がCRMの持つ価値であり、営業以外の分野にも応用可能ではないか
- 組織・業務プロセスの理想状態と現状を描くための物差しを提供していけるのではないか
- 業務の改善をより身近なものにしていけるのではないか
Sensesというサービスにはこのような可能性・発展性があると考えています。
(もちろんCRMかつSFAなのであくまでも現状でのメインターゲットは営業パーソンですが。)
そしてそうした可能性を気持ち良く追求していけるチームがマツリカにはあります。
マツリカでやりたいこと
まずはエンジニアとして、技術を吸収してプロダクトを前に進めていきたいと思ってます。プロダクトチームのチーム作りにも少しずつ貢献していきたいです。
あと僕はこのチグハグな経歴のおかげで色んな領域の人との間に共通言語を持ってますし、異なる領域の間に共通言語を作ることが出来る存在かなと勝手に思ってます。
なのでマツリカ内の色んなチームを繋いでマツリカの人たちが祭り化することをサポートする、仕組みづくりをするみたいなことを目指してます。
入社から1ヶ月経って
最高に楽しいです。みんなの士気も高く、仕事の話をすれば熱く返してくれる人がたくさんいます。
技術面においても、志願すれば大抵の分野はやれると思いますし、slackで気軽に聞ける文化もあるので、挑戦することも学ぶこともがんがんできます。
面倒見のいい人が多く、質問すればみんなあれこれと教えてくれます。
ワークライフインテグレーションという考え方のもと、仕事とプライベートそれぞれに影響し合うものだからどっちも大切にしよう、というのが浸透しているので、スタートアップだから身を粉にして働くのが当たり前!みたいなのはありません。メリハリつけて働くことができます。
あとスタートアップで働くってこういうことかぁと感じたのは、〇〇みたいなことした方がいいんじゃないですか?っていう話をCo-CEOにしたときに「会社にしてもらうことを期待するんじゃなくて自分から動けるようになろう」って言われた瞬間です。
実際、期待するよりも自分でやった方が早いことでしたし、チーム作りしたいって主張する以上自分でやるべきことでした。
やりたいと思えば大体のことには参加できますし、逆に待ちの姿勢になってしまうと文化が合わなくて辛いかと思います。
マツリカの詳しい文化や働き方については採用ページやWantedlyに記載があります。
これ読んで興味を持っていただけたならちょっと寄ってみてください。
こんだけポンポン転職しているやつなのでまたすぐ転職するんじゃないの?って言われそうですが、向いている方向がかなりすり合っているので大丈夫じゃないかなぁとある意味楽観的に捉えてます。選択した結果を正解にできるように努力していければいいなと思います。
長文・駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
何かの折にまた近況を書くかもしれないし、書かないかもしれません。それでは。